【書評】過去の失敗を挽回することはできる。記憶を払拭することはできない。
【書評】過去の失敗を挽回することはできる。記憶を払拭することはできない。
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葦舟ナツ『ひきこもりの弟だった』
雪の日、実家から帰る駅のホームにて。
突然、見知らぬ女性に声をかけられた。
彼女は僕に3つの質問を投げかける。
「彼女はいますか?」
「煙草は吸いますか?」
「最後にあなたは……?」
僕は彼女と結婚することに決めた。
お互いを何も知らない二人を結ぶのは、この3つの質問だけ。
平和で不自由のない結婚生活。
それは僕に過去を追憶させた。
僕の人生を壊した”ひきこもり”の兄を。
そして、そんな兄を甘やかす大嫌いな母親を。
生まれ育った環境は人格や思考に影響するのか
過去と現在をテンポよく行き来する構成。
“過去=不幸”・”現在=幸せ”の対比をしながら進む物語かと思いきや、その方程式が次第に崩れる様がとにかく残酷でした。
生まれ育った環境は、人格や思考にどのような影響を及ぼすのか。
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