伝わらない文章を作る13個の馬鹿テクニック【文章力下落したい方向け】
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私は広告業の仕事をしており、ブログ記事と最近はYoutube動画を使い、消費者の方に商品を購入頂いています。
特に私が得意とする広告は「欲しいと思っていなかったのに、欲しくなり買ってしまった」と言う、いわゆる【潜在層】にアプローチする手法。
ですので私は【文章を作るプロ】と言っても言い過ぎではないはず。そんな広告業の私が、ライティングに関する記事を書きました。
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伝えるために文章を書いているのに「それでは伝わらないぞ…」と言う文章をよく見かけます。
実は、伝わらない文章には【共通点】があります。この【伝わらない文章の共通点】を知っておくことが大事。
今回の記事は、伝わらない共通点を【馬鹿テクニック】と称し、13個まとめています。
逆に言うと
ちなみにこの記事では文章が【伝わらなくなる方法】のみに言及しています。
例えば「頭痛が痛い」「馬から落馬する」などのような言葉の重複は、知的さは欠けますが、意味は伝わります。
見た目どうこうは触れずにとにかく【伝わらないテクニック】のみ書いています。ですので超実践的と言えます。
13個の馬鹿テクニックは大きく2つに分類できます。
・1つは【便利な言葉】
・もう1つは【文の形】
まずはわかりやすい【便利な言葉】から7個の馬鹿テクニックを紹介します。
それ・あれ・これを乱発する【やっちゃう度:★★★★★】
「それ取って」「あのパン屋は美味しい?」
のように、それ・あれ・これって便利ですよね。他にも、その・あの・このと言う言葉もあります。
これらの言葉は、指示詞と呼ばれます。指示詞は文章をわかりづらくします。こちらの例をご覧ください。
これ、和歌山人の誇りは
【和歌山ラーメン】【ラーメン魂】どちらか分かりますか?
私は【和歌山ラーメン】のつもりで「これ」と書きました。でも中には【ラーメン魂】だと思った方いますよね?
しかしこれはアナタの理解不足ではありません。そもそも、どっちとも取れる書き方をした、私が悪いんです。
このように指示詞は、文章を分かりづらくします。
指示詞を使わずに、ハッキリと
と書くべきです。
-関連動画-
彼・彼女・その人・あの人を乱発する【やっちゃう度:★★★★】
さらに彼や彼女と言う言葉も、文章をわかりづらくします。彼や彼女は【人称代名詞】と言います。
彼や彼女と言われても、一体誰のことを指すのか読者はわからない場合があるからです。これも例を出しましょう。
この彼女とはミシェルですか?
それともジェシカですか?
この文章だけではわからないですよね。これも読者の理解不足ではなく、筆者の責任です。
はっきりと固有名詞を書きましょう。
固有名詞を書くことで、読者が勘違いをする余地がなくなります。
推定を使う【やっちゃう度:★★★★】
こちらは例から書きます。どちらのラーメンの方が美味しそうか考えて下さい。
明らかに前者ですよね。
だって後者は自信なさげですから。
このように「~と思う」や「~かもしれない」などの推定は、意味を【弱く】します。特に、記事の後半、結論あたりに推定を使うと、記事の価値が激落ちします。
「ビタミンCを摂取するとお肌の調子がよくなると思います」なんて書かれた記事を、あなたは信用しますか?
「ということで、ビタミンCはお肌の調子が良くするんです!」と書かれている方が信用できますよね。
自信があるなら言葉は断定して下さい。
自信がないなら…?自信が出るまで調査して下さい!
こと・ものと言う言葉が多い。【やっちゃう度:★★★★★】
日本語には便利な言葉がありますが最も便利な言葉は「こと」や「もの」じゃありませんか?
例えばこちら
「~すること」が多いですね。余計な言葉が多いので、意味が伝わりにくくなります。
こう書きましょう。
次に紹介する「語尾が無駄に長い」とも通じるのですが、【余計な言葉】が想像の邪魔をします。
~ことや~ものは想像を邪魔するので、使わないで表現する方法はないか考えましょう。
語尾がムダに長い【やっちゃう度:★★★★★】
せっかくの良い文章でも、語尾が無駄に長いと、伝わりにくくなります。
例文がコチラ
後半の無駄な語尾のせいで、文章全体がぼんやりとしてしまっています。下記のように。語尾をざっくり削りましょう。
クラウドワークスなどでライター業をやっていた人は、文字数をふくらませるために、語尾を長くする傾向があります。
ですが語尾を無駄に伸ばすのは厳禁。
気をつけるべきは「意味を持たない語尾」を削ること。
先程の例文の「…ということになりました」には意味はありません。ですので不要ということです。
意味を持たない語尾を探す際に役立つ知識があります。
それが「ひらがなが続いていないか?」です。ひらがなが多い場合、意味がない可能性があります。
また漢字であっても「事」や「言」などがあるとき、大して意味がない可能性があります。意味のない語尾は、ザックリ削っていきましょう。
無くても通じる、繋ぎ言葉が多い【やっちゃう度:★★★】
意味がないのは語尾だけではありません。繋ぎ言葉(接続詞)にも見受けられます。
こちらをご覧ください。
この例文の「そのようななか」「そこで」が接続詞となります。
この接続詞、無くても意味が通じますよね?
違和感なく通じます。と言うことは上記の接続詞は【無意味】ということ。
何度も書いていますが、余計な言葉は文章の意味を弱くします。使わないで済む接続詞は、ザックリ削除しましょう。
ちなみに上記の例文は、語尾に無駄があります。語尾もスッキリさせると…
どんどん意味が伝わりやすくなっていますね。
常套句が多い【やっちゃう度:★★★】
常套句とは【よく使われる言葉】です。決り文句とも言いますね。
例えば
涙がこぼれ落ちたと言う言葉はよく聞きますね。常套句の一つです。しかし常套句は、使い回されているため、印象を残しません。
また、本当に【涙がこぼれ落ちた】のでしょうか?もっと真実に近い表現がありませんか?
これなら例えば
であればいかがでしょう?
大人になって初めて泣いたことが事実であれば、この表現のほうが伝わるものが多いはず。
読者は常套句や決り文句を読みたいのではありません。あなたが書いたあなたの文章が読みたいんです。
挨拶には常套句がたくさんあります。例えば退職する取引先の担当者への言葉
「新天地での益々のご活躍、心よりお祈り申し上げます。」
ふーむ、心に響きません。これならどうでしょう?
「次の職場での活躍も期待しております!これからも頑張って下さい!」
使える場面は限られますが、後者のほうが伝わりますね。このように常套句は便利なように見えて実は【伝わらない】んです。
ガクガク・ブルブルなどの擬音が多い【やっちゃう度:★★】
常套句と同じく擬音も、使い回されています。
例えば1998年の流行語にも選ばれた
この言葉今でも時々使われますよね。でももう使い古されているので、インパクトはありません。
この擬音は、彼女が使ったからインパクトがあっただけなのです。
ただし、擬音は少し使うなら効果的です。例えば
「私は寒くてガタガタと震えていました。だからホカホカのスープが美味しく感じました。」
これは
「私は寒くてと震えていました。だからスープが美味しく感じました。」よりも場面が想像しやすいですね。
ですので擬音は乱発せずに、少し使う程度にしましょう。
ここまで7つの馬鹿テクニックを紹介しました。この7つの共通点は【便利な言葉】です。便利な言葉は文字通り、便利で使いやすいのです。
ですが抽象的であったり、アナタの言葉でなかったりするので、文章が伝わらなくなる原因となります。
それでは続いてバカテクニック【文の形】編を始めましょう。
(ちなみに文型とも言えるのですが、中には文型ではないものもあるのであくまでも「文の形」としています)
文に意味が多い【やっちゃう度:★★★★★】
文に意味が多いとは「1つの文に含まれる意味が多い」ということです。
例を見ると一瞬で理解できます。
笑っちゃいけませんよ?このような文はよく見かけますので…。
この例文には意味がたくさんあります。
・珍々亭のチャーハンはネギ油を使っている。
・珍々亭のチャーハンは香ばしい。
・隠し味に牡蠣醤油を入れている。
・牡蠣のコクが味を膨らませている。
・北海道からも珍珍亭に来る人がいる。
なんと5つもの意味がある文なんです。こんなに意味を詰め込めると、もはや前半の部分は覚えていません。
1つの文章には、1つまたは2つまでの意味としましょう。文章を小分けにするということです。
例文を小分けにすると
このように1つの文章に持たせる意味の数を減らすことで、理解しやすい文章となります。
主語と述語の距離が遠い【やっちゃう度:★★★★】
主語と述語の距離が遠いとは、一つの文の中で、主語と述語が【文字数的】に遠いということ。
こちらも例を見ればすぐに分かります。
この場合の主語は「新幹線のぞみ」
そして述語は「迫ってきた」
この2つの単語が離れているため、文章を読んでいるうちに主語を忘れてしまいます。結局、なにがどうなったかわからないんです。
主語と述語を近づけると、下記の通りとなります。
これなら主語と述語が近く、意味を理解しやすいですね。
関係する言葉が遠い【やっちゃう度:★★★★★】
言葉の距離が大事なのは、【主語と述語】の関係だけではありません。とにかく関係する言葉(かかる言葉とも言う)は近くにします。
下記をご覧ください。
この場合
【鰹だしを50年間継ぎ足しているそば屋】か【鰹だしが美味しい50年前から続くそば屋】なのか、判断が付きません。
もし後者であるなら、【50年前】と【そば屋】を近づけましょう。
これだと一目瞭然ですね。
自分が書いた文章を読んで、「わかりづらい」と思った場合よくあるのがこの【距離】です。
「かかる言葉は近づける。」これが文書を伝える鉄則です。
否定文が多い【やっちゃう度:★★★★】
否定文もまた、意味をわかりづらくする要因です。ただしこの場合の否定文とは「否定する必要のない否定文」です。
例文を見れば理解出来ます。
これは「美味しくない」と言う否定文を使っています。
上記例文でも伝わるかもしれませんが、下記例文の方が伝わります。
まず「美味しくない」と言う意味はありません。だって日本には「まずい」と言う言葉がありますから。
「美味しくない」とは「美味しい」の裏返しなんです。人間の頭では一度「美味しい」を思い浮かべ、そしてそれを裏返します。
この脳内の作業が、意味をわかりづらくします。
もっと分かりづらいのが【否定の否定】です。
「A氏はB氏に対し、殺意がなかったとは言えず、意図的ではないという考えは間違っている。」
裁判のニュースではよくありますよね。もはや殺意があったのかなかったのかすら分かりません。
否定しないですむ言葉があるなら、そちらを使いましょう。
などが挙げられます。
※意味が変わってしまう場合は、否定文のまま使いましょう
-例-
お腹が空いていないので朝ごはんを抜いた
↓
満腹なので朝ごはんを抜いた
これでは意味が変わってしまいます。この場合は「お腹が空いていない」を使うしかありません。
-関連動画-
受け身の文章が多い【やっちゃう度:★★★】
受け身の文章も否定の文章と同じく、通常の文章の裏返しとなります。
裏返しということは、脳内で一旦普通の文章を考え、置き換えるという作業が発生します。(実際は無意識ですが)
こちらも例文をどうぞ
上記の文章の「燃焼してくれる」が受け身です。
受け身には、断定を避ける効果があります。ですので「受け身文」は、自信が無いときにやっちゃうんです。
下記のように修正しましょう。
ちょっと大げさに書いた例文もどうぞ。
「学問のすすめは福沢諭吉によって書かれており、福沢諭吉の本の中でも多くの人によって一番に選ばれている」
わかりづらい!
「福沢諭吉が書いた学問のすすめは、多くの人が一番に選んでいる」
これでOKですね。
文章を受け身にすることで、主語を目立たせる効果があります。例文で言うと「学問のすすめ」です。
ただし受け身にすることで目立つ主語は、大した主語ではないことが多く、今回の文章でいうと主語にするべきは「福沢諭吉」です。
受け身は基本的に使わないようにしましょう。
受け身ほど登場する機会は多くありませんが【倒置法】も分かりづらくなる要因です。
倒置法とは、本来後半に来るべき言葉を、前半に持ってくる方法です。
例えば
と言う文章を
と書くのが倒置法です。
倒置法にすることによって、前半部分が目立ちます。例文で言うと「シミの原因となる」です。
日本語の文章の大半は【主語→述語】の順番で書かれます。ですので我々日本人は主語を先に言われた方が分かりやすいんです。
倒置法は小説家の使うテクニックです。伝わりにくくなるので、我々は使わないほうが良いテクニックです。
以上、伝わらない文章を作る13個の馬鹿テクニックを紹介しました。
この記事の中で何度も書いたのが「想像を邪魔する」と言う言葉。
そうです、意味が伝わらない文章とは【想像ができない文章】のことなんです。
もしあなたが、相手に伝わる文章を書きたいなら…【想像しやすい文章】を書く必要があります。
今回書いた13個をまとめると、こちらとなります。
最後にもう一度フォローのお願いです。
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