スキー場のコース外は別世界 警鐘

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スキー場のコース外は別世界 警鐘
長野県小谷村の北アルプス白馬乗鞍岳の雪崩による遭難事故で30日、救助作業中の県警山岳遭難救助隊員ら=長野県警提供  長野県小谷(おたり)村で外国人スキー客が巻き込まれた雪崩は、スキー場として整備・管理がされていない区域の「バックカントリー」で発生した。手つかずの自然を満喫できるバックカントリーでのスキーやスノーボードは近年人気だが、遭難事故も絶えない。 【写真】激しく雪が降る街の様子  なぜ、バックカントリーが人気なのか。スキーの関連団体が参加する「全国スキー安全対策協議会」によると、圧雪されたスキー場のゲレンデとは違い、日本特有の軟らかな粉雪を滑走できるとして、外国人観光客を中心に人気という。特に長野県白馬村などの北アルプス地域や北海道のニセコ町などが注目される。  一方で管理されたスキー場ではなく、自然の雪原でのスキーなどは危険も伴う。警察庁によると、バックカントリーでの遭難者数は、統計を取り始めた2015年は114人だった。その後増加し、19年が164人と過去最多に。新型コロナウイルス感染拡大が影響したとみられ、20年は95人、21年が94人と減少したものの、遭難事故が起きていた。  この冬も年明け以降、バックカントリーでスキーやスノーボードを滑走中に雪崩に巻き込まれる事故は相次ぐ。13日に北海道の羊蹄山(ようていざん)を登山中の外国人10人が雪崩に遭遇し、スキーをしていたドイツ国籍の女性(31)が死亡。28~29日には、群馬県内や長野県内でスノーボードをしていた男性2人が雪崩に巻き込まれ、いずれも死亡した。  山岳ガイドなどで構成し、雪崩情報などを提供している「日本雪崩ネットワーク」の関係者は「『コース外を楽しむ』などの枕ことばで紹介されることが多いが、スキー場で楽しむのとバックカントリーでのスキーやスノーボードは全くの別世界だ」と指摘する。  白馬乗鞍岳付近で登山ガイドをする伊藤嘉一さん(56)によると、小谷村の現場周辺は雪崩の起きやすい場所として知られていた。今回の雪崩が起きる少し前に降雪がない時期があり、日中に溶けた雪が気温の下がる夜に固まり、さらに雪が降ると表面が崩れる「表層雪崩」が起きやすい状況だった。雪崩が起きた29日は降雪があり、危険を感じてバックカントリーでの案内を見送った地元ガイドも多かったという。  伊藤さんは「最終的には個人の責任と判断だが、雪山の知識のあるガイドの同行や雪山登山用の装備や技能を持っていることを前提として(バックカントリーに)臨むべきだ」と語る。日本雪崩ネットワークも、装備や計画など段階に分けて注意事項をまとめた「バックカントリーの雪崩対策 7つのステップ」を、ホームページで公開している。【安藤いく子、佐野格、秋丸生帆、松本惇】

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