住民悩ます「ドリフト族」 現場は

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住民悩ます「ドリフト族」 現場は
港湾道路でドリフト走行をする車=愛知県弥富市で、熊谷佐和子撮影  タイヤを横滑りさせながら旋回する「ドリフト走行」に対する通報が愛知県内で急増している。特に弥富市と飛島村の臨海部にある道路では週末の夜になると、暴走行為を繰り返す「ドリフト族」や見物するギャラリーが集まり、近隣住民や道路管理者らを悩ませている。なぜ急増したのか。週末の夜、現場に足を運んだ。 【横断歩道が…】ドリフトによるタイヤ痕が残る港湾道路  ◇ドリフト走行する理由  ある土曜の夜。弥富市の港湾道路には午後11時を過ぎているにもかかわらず、外国人や若者ら約20人が集まり、ドリフト族を待っていた。日付が変わった頃、1台のスポーツカーが爆音をとどろかせながらドリフト走行を始めた。交差点を何度もUターンし、ガードレールを衝突すれすれでかわすように車体を滑らせる。周辺は工場地帯で夜間の車通りは少ないが、大型トラックが通行しにくそうにする場面もあった。  ドリフト族の登場から30分が過ぎた頃、ギャラリーたちが次々にクラクションを鳴らし、一目散に走り去った。遠くからはパトカーが近付いてくるのが見える。クラクションは警察が来たことを知らせる合図だったようだ。  別の日に再び弥富市を訪れ、ギャラリーやドリフト族に話を聞いた。見物していた20代男性は「音楽ライブを見ている時のようにテンションが上がる。間近で見られるショーみたいな感覚」と話す。ドリフト走行していた20代男性は「スリルがあって楽しい。まだ始めたばかりで、サーキットに行くお金もないので」と路上でドリフト走行する理由を語る一方で「交通量は少ないが、迷惑をかけていると思う」と後ろめたさも口にした。  ◇ドリフトスポットがSNSで拡散  愛知県警によると、県内のドリフト関連の通報は、2018年24件、19年37件、20年28件と推移していたが21年に83件、22年に89件と急増した。  主な通報内容は騒音や通行妨害に関するものだ。弥富市などを管轄する蟹江署によると、ドリフト族は10年以上前からふ頭で走行するようになり、10~11年ごろには、一晩に100台以上の改造車が集まったこともあったという。しかしその後は、県警の取り締まり強化などにより急減。10年ほど落ち着いた状態だったが、再び増加傾向となった。  通報増加の要因として、県警はドリフト族が集まる「ドリフトスポット」の情報がSNS(ネット交流サービス)で拡散されているためだと分析。また、ある車雑誌の編集者は「中古の国産スポーツカーが海外で流行しており、『逆輸入』のような形で国内でブームとなり、ドリフト走行につながっているのでは」と推測する。  ◇ドリフト族vs管理組合 いたちごっこ  急速に増えたドリフト族に住民らは苦悩を抱える。特にひどいのは夜間の騒音で、飛島村の70代男性は「夏は網戸のままでは寝られないくらいうるさい」と語る。また、釣りに来ていた名古屋市の60代男性は「巻き込まれそうなので(ドリフト走行を)やっている時に帰るのは怖い」と訴えた。  ドリフト走行後の道路には複数のタイヤ痕が残され、ガードレールがへこんでいることもある。港湾道路を管理する名古屋港管理組合はドリフト走行をしにくくするため路面に溝を掘ったり、交差点にポストコーンと呼ばれる支柱を設置したりしてきた。ただ、支柱は衝突で倒されてしまうこともしばしば。同組合の担当者は「ある場所を重点的に対策しても、より走りやすそうな所に移る『いたちごっこ』になっている」と明かす。  こうした状況を受け、県警は取り締まりの強化に乗り出している。昨年11月には弥富市で2台の乗用車でドリフト走行をしたとして、19~22歳の3人を道交法違反(共同危険行為)容疑などで逮捕した。  県警交通捜査課は「ドリフト走行は事故につながりかねず、迷惑を受ける人がいる。犯罪になると認識してもらえるよう継続して取り締まりや注意喚起を続けていく」としている。【熊谷佐和子】

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[紹介元] Yahoo!ニュース・トピックス - 地域 住民悩ます「ドリフト族」 現場は