博多で女性死亡 事前に県警に相談

女性が襲われた現場周辺を調べる捜査員ら（１６日午後８時１３分、福岡市博多区で）＝浦上太介撮影 　１６日午後６時１５分頃、福岡市博多区博多駅前２の路上で、「女性が刺された。男が包丁のようなものを所持していた」と目撃者から１１０番があった。女性は同市内の病院に搬送されたが、間もなく死亡が確認された。男は現場から逃走した。福岡県警博多署は殺人事件として捜査を始め、男の行方を追っている。 【別写真】女性が襲われた現場周辺を調べる捜査員ら 　同署の発表などによると、襲われた女性は３０歳代とみられ、あおむけに倒れていた。捜査関係者などによると、女性は福岡県警に男女間のトラブルについて相談していたという。同署は１７日に司法解剖を行って死因を調べる。男は３０～５０歳代くらいで黒い服を着ており、刃物を持ったままＪＲ博多駅方面に逃げた可能性があるという。 　現場は同駅から北西約２００メートルのビジネスホテルや飲食店が立ち並ぶ場所。事件発生時は帰宅時間帯にも重なり、一帯は騒然となった。規制線が張られ、ブルーシートで覆われた一角では捜査員が鑑識作業を続け、物々しい雰囲気に包まれた。 　旅行で訪れた水戸市の男性（６６）は通りかかった際、出血した女性が救急隊に心臓マッサージを受けながら搬送される様子を目撃したといい、「博多駅の近くの人通りがある場所で、こんな事件が起きるとは」と驚いていた。 　近くの駐車場で働く女性（６１）によると、「悪いことをしているから警察呼んで」という男性の大声が聞こえたという。その後、駆けつけた警察官が駐車場を訪れ、現場の方向を向いた防犯カメラの映像を確認。音声が記録されたとみられるデータを提供した。「怖かったので現場は見られず、（事務所の）入り口の鍵を閉めた」と青ざめた表情で語った。 　周辺はホテルや飲食店も多い地区で、近くのホテルに勤める男性従業員（６３）によると、刃物を持った男が逃走したとのニュースに不安を覚える宿泊客も目立った。若い女性客は徒歩５分ほどのバスセンターまでタクシーを利用したといい、従業員は「宿泊客には『部屋に入って鍵をかけて』と呼びかけた。早く捕まってほしい」と話した。