渋谷再開発 若者「だけ」の街脱却

SEOを使わない爆速アクセスアップ術

渋谷再開発 若者「だけ」の街脱却
渋谷駅桜丘口の航空写真と各ビル名(東急不動産提供) 「100年に一度」といわれる大規模再開発が進行中の渋谷。中心事業者である東急グループは、駅周辺開発の最終段階となる渋谷駅南西部の桜丘(さくらがおか)地区で、外国人の利用も想定したオフィスなどが入る高層ビルを今秋に完成させる。「若者の街」の代名詞としてトレンドを発信しつづけてきた渋谷だが、再開発によって訪れる客層は変わりつつある。渋谷の魅力を多様性ととらえる事業者らは、若者〝だけ〟の街からの脱却を図っている。 【表でみる】渋谷を含め、都心では再開発が進んでいる 「桜丘地区を渋谷の新たな玄関口として整備する」 東急不動産の岡田正志社長は、同社が手掛ける駅周辺再開発プロジェクトとしては最大規模となる桜丘地区の街づくりをこう語った。 約2・6ヘクタールの敷地内には渋谷の新たなランドマークとして、高層ビル2棟などで構成する複合施設「渋谷サクラステージ」(渋谷区)を建設する。オフィスや商業施設が入るほか、外国人のビジネスマンの利用も想定した滞在施設や起業支援施設を整備する点が特徴だ。11月30日に完成し、令和6年夏にかけて順次開業する。 これまで桜丘地区は老朽化した建物が密集し、JR線や昭和39年の東京五輪大会に合わせて開通した国道246号によって渋谷駅から分断されていたエリアだった。246号を横断する形でデッキや自由通路を整備し、JR渋谷駅南側に開設予定の新改札口と渋谷サクラステージを直結させることで、回遊性は大幅に向上。渋谷のにぎわいのエリアは拡大する。 東急グループは平成24年開業の大型複合ビル「渋谷ヒカリエ」を皮切りに、現在、渋谷駅周辺で桜丘地区を含む計5つのエリアで再開発プロジェクトを進行させている。以前の渋谷は戦後の町並みが残る細い道や坂があり、高齢者やベビーカーでは動きづらかった。一連の再開発を進めるのは、インフラ整備で幅広い年代が訪れる街へ進化させたいという狙いがある。 渋谷駅周辺はここ10年で大きく姿を変えている。1960年代以降に、当時の東急電鉄グループとセゾングループの開発競争を経てターゲットが低年齢化した経緯があり、「これまでの渋谷は若者に寄った街だった」(岡田氏)。昭和54年に開業し、〝ギャルの聖地〟として一世を風靡(ふうび)した「ファッションコミュニティ109(現SHIBUYA109)」が象徴的だ。 ただ、若者だけの街では客単価の大幅な上昇は見込めない。また、渋谷に集まりつつあったベンチャー企業の需要を満たすオフィス面積には限界があった。東急グループが渋谷の再開発を進めるのには、街を進化させなければいけないという危機感がある。 「多様性あふれる街」を目指す渋谷は変貌を遂げつつある。駅周辺の再開発は令和12(2030)年頃に一旦完成する予定だ。(浅上あゆみ)

SEOを使わない爆速アクセスアップ術

[紹介元] Yahoo!ニュース・トピックス - 地域 渋谷再開発 若者「だけ」の街脱却