18年間も死者に課税 市に不信感

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18年間も死者に課税 市に不信感
亡くなった後も課税されていた女性の居宅=福岡県大牟田市  福岡県大牟田市の女性が亡くなっているにもかかわらず、所有していた土地や家屋の固定資産税を、市が18年間にわたって女性の口座から引き落としていたことが7日分かった。女性の親族男性(52)が気付き、市に問い合わせて判明した。総額は約百数十万円に上る見通し。故人への課税が続く事例は全国的にも少なくないとみられ、行政による相続人の調査や登記の在り方が問われている。 【写真】亡くなった後も課税されていた女性の居宅  男性によると、自宅で1人暮らしをしていた女性=当時(54)=は2004年5月に亡くなった。配偶者や子、きょうだいはおらず、両親や祖父母も他界。民法上の遺産の相続人はいなかった。女性のいとこに当たり、喪主を務めた男性の父が死亡届を市に提出し、受理されていた。  土地や建物の所有者が亡くなると、自治体の担当者が個別に相続人を調べ、納税義務者を変更する必要がある。しかしその後の05~22年度、女性が保有していた市内2カ所の土地、建物の固定資産税が女性の口座から引き落とされていた。男性によると課税額は年間8万円程度とみられる。  男性の父が認知症となり、男性が成年後見人の手続きをする際、父の所持品から女性の通帳と市から届いた納税通知書を発見。昨年10月、市に事情を尋ねたという。男性は「父が通帳を管理していたことも知らず、引き落とされていたことも分からなかった。18年間も死者の口座から引き落としを続けるのは許せない」と不信感を募らせている。  死亡者への課税は法的には無効となる。取材に対し、市の吉田尚幸市民部長は「死亡届を受けて、担当部署による相続人の確認が十分にできていなかったと思われる」と事実関係を認めた。女性の死後の課税総額は個人情報を理由に明かしていない。今後、裁判所が選任する相続財産管理人に、返還の手続きを取るとしている。  (佐伯浩之) 高齢社会「業務追い付かない」  家や土地の持ち主が亡くなったのに税金の引き落としが続き、誰も気付かない-。「死亡者課税」と呼ばれるこうした問題の背景には、急速に進む高齢化に対し、行政による相続人の調査や不動産の登記が追い付いていない現実がある。国は、速やかに所有者を明確化する相続登記の義務化など解消策に乗り出したものの、なお時間がかかりそうだ。  税務関係者によると、死亡者課税は故人の口座残金が底をつき、引き落としができなくなることで判明することが多い。福岡県大牟田市の事例は、亡くなった女性の口座に一定の預金があったため長期間、気付かれなかったとみられる。  土地や建物の所有者は通常、法務局から届く登記情報に基づいて各自治体が更新する。相続が未登記の場合は、自治体が個別に相続人を調査し、所有者(納税義務者)を変更する必要がある。年間約1800件の死亡届を受理する大牟田市の担当者は「相続の対象者などの精査に加え、調査は膨大な作業になる」。全国の自治体にアンケートをするなど死亡者課税に詳しい政策シンクタンク・東京財団政策研究所の吉原祥子研究員は「高齢社会のなか、税務部局の業務が追い付いていない」と指摘する。

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[紹介元] Yahoo!ニュース・トピックス - 地域 18年間も死者に課税 市に不信感