大人の紙おむつ 加速するごみ対策

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大人の紙おむつ 加速するごみ対策
高齢化に伴い使用済みの大人用紙おむつの廃棄量が増え、社会問題となりつつある。自治体の焼却炉への負担が重く、高齢者施設でも処理費用がかさむ。国はおむつごみ処理問題の解決に向け、廃棄ルールの指針を今年度中に策定する。民間企業も処理装置を開発するなど、官民をあげた対策が加速している。(外崎晃彦) 【写真】リクシルの紙おむつ処理機で粉砕された紙おむつ 大人の背丈ほどある高さの機械。上部から使用済み紙おむつを投入すると、「ブーン」という低い音を立てて運転を始めた。待つこと約5分。細切れになった紙おむつが下のほうから排出された。水分が飛んで乾き、においもほぼない。 これは住宅設備メーカーのLIXIL(リクシル)が開発した紙おむつ処理機だ。使用済み紙おむつから排泄物を分離して排水口に流し、紙おむつは粉砕処理する。「重さは投入前の約2分の1、体積は6分の1~4分の1にまで圧縮でき、『燃やせるごみ』として捨てられる」と、同社デザイン・新技術統括部のオムツ処理機開発リーダー、渡辺弘明さん(53)は説明する。 小型化と処理時間の短縮という課題はあるが、渡辺さんは、「水分による重さやにおいといったおむつ処理を巡る問題を一挙に解決できる。高齢者施設や自治体のみなさんが困っている。水回りのメーカーとして役に立ちたい」と話す。 ■増える量、かさむコスト 大人用紙おむつは年々、供給が増えている。日本衛生材料工業連合会によると、令和3年の生産量は約88億6400万枚。10年前の平成23年(約58億1100万枚)と比べ、1・5倍以上に急増している。 それに伴い、紙おむつごみの処理量も増加。環境省によると、一般廃棄物のうち、紙おむつの占める割合は重量ベースで全体の4・3~4・8%(平成27年度)。令和12年度には6・6~7・1%に増えると推計する。 おむつごみは他のごみと比較して処理コストがかさむ。東京都環境局によると、一般ごみとして回収した使用済み紙おむつは水分を多く含んで燃えにくく、通常より高い温度の800度以上で焼却しなければならないという。炉への負担や燃料費増、環境への悪影響が懸念されている。 高齢者施設では廃棄業者に支払う処理費用が経営を圧迫する。重いおむつごみの廃棄は重労働で、職員への負担も大きい。負担は家庭でも同様で、ごみ保管場所での悪臭も深刻だ。 ■各地で試行事例も こうした状況の改善を図ろうと、下水道事業を管轄する国土交通省は使用済み紙おむつを洗浄して処理するといったルールを盛り込んだ指針を来年3月までに公表する方針だ。 それに応じて企業も高齢者施設や家庭で個別に分離・廃棄処理ができるシステムの開発を推進。各自治体もバックアップに乗り出している。 東京都では令和2年度に病院で廃棄される紙おむつをペレット燃料にして、廃棄物の減量や資源化するための実証実験を行った。紙おむつメーカーのユニ・チャームは、使用済みの紙おむつの素材から、再び紙おむつを作る循環型のリサイクルモデルを考案。神奈川県の葉山町や横浜市の高齢者施設では、6月と9月からそれぞれ、リクシルの処理機を使った実証実験を行った。 葉山町の特別養護老人ホーム「葉山グリーンヒル」のケアマネジャー、新井明子さん(43)は「重労働が軽減され、においの問題もなくなることが分かった」と実験を振り返り、「処理機が全面的に運用されれば、職員らの負担は軽くなるだろう」として普及に期待感を示した。

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[紹介元] Yahoo!ニュース・トピックス - 主要 大人の紙おむつ 加速するごみ対策