ウィシュマさん入管死 監視カメラ映像 「耳を疑った」職員の一言 | 毎日新聞

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ウィシュマさん入管死 監視カメラ映像 「耳を疑った」職員の一言 | 毎日新聞
ウィシュマ・サンダマリさん=遺族提供  「動物のように扱われた」。遺族が怒りに震えた監視カメラ映像には、何が映っていたのか――。 295時間のうち5時間分の視聴許可 ウィシュマ・サンダマリさんの遺影を手に名古屋地裁に入廷する遺族ら=名古屋市中区で2023年2月15日午後2時9分、藤顕一郎撮影  2021年3月、名古屋市の入管施設で死亡したスリランカ人女性、ウィシュマ・サンダマリさん(当時33歳)の様子を記録した監視カメラ映像を、記者が視聴した。亡くなる当日、ウィシュマさんの指先が冷たくなっていると報告を受けた職員が発したひと言には、思わず耳を疑った。  記者が閲覧申請して視聴を許可されたのは約5時間分の映像。亡くなるまでの13日間に撮影された約295時間分の映像の一部だ。遺族が国に損害賠償を求めた訴訟で、国側は22年12月に同じ映像を名古屋地裁に提出。遺族側は公開の法廷での上映を求めている。  21年2月23日午後7時すぎの映像には、ウィシュマさんが日本語で「タントウサーン(担当さん)」と連呼し、「病院に持って行って。お願い」と何度も懇願する様子が映っていた。バケツに嘔吐(おうと)し、「今日死ぬ」と訴えるウィシュマさん。看守は「大丈夫。死んだら困るもん。他のこと考えよう」と取り合わなかった。  出入国在留管理庁の調査報告書によると、ウィシュマさんは21年1月中旬ごろから食欲不振や吐き気、体のしびれを訴えていた。施設に収容された20年8月に84・9キロあった体重が、21年2月23日には65・5キロに減っていた。このころはもうトイレや着替えにも介助が必要な状態だった。  ベッドから床に落ち看守に助けを求めたのは同26日の早朝。暗闇で「寒い」とつぶやく中、看守らの姿が映り込んだのは12分後だった。ウィシュマさんを両脇から抱えるが持ち上がらない。床に横たわるウィシュマさんに毛布を掛け「朝まで我慢して。ごめんね」と言い残して部屋を出た。 報告書では「おかゆを口に」とあるが  報告書では外部病院の精神科を受診した3月4日以降も、おかゆを口にしたとされる。しかし、映像に残された様子は、看守に体を支えられても姿勢を保てず、ぐらぐらと後ろに倒れこんでしまい、呼び掛けへの反応もほぼなくなった。  亡くなった日の同6日午後2時すぎ。看守がベッドに横たわるウィシュマさんの左手の指先に触れ、インターホンで「指先がちょっと冷たい気がします」と伝える生々しい様子もあった。報告に応じた職員の返答には耳を疑った。「あ、そう」  しばらくして看守ら職員4人が集まり、脈拍を測りながら「ちょっとまずい気がします」などと口にしていたが、すぐに救急車を呼ぼうとはしなかった。 「映像を見ないと感情分からぬ」  報告書には「『あー』と声を出す」という記載が何カ所もあったが、実際に映像で確認すると、悲鳴のような声から、死亡した日に近づくほどに声にならない、うなるようなトーンに変わっていた。「映像を見ないと感情が分からない」。訴訟が始まった22年6月に、遺族が会見で語った言葉の意味が理解できた。  場面ごとに区切られた映像は音声付きのカラー。ベッドと木の棚があるだけの簡素な室内を天井から映していた。国側は「保安上の支障がある」として、看守ら職員の顔にモザイク処理を施し、音声も一部が消されていた。【藤顕一郎】

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