値下げ圧力 NHK新会長に課題山積

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値下げ圧力 NHK新会長に課題山積
NHKのロゴ NHKのかじ取りは来年1月からの3年間、元日本銀行理事の稲葉延雄氏(72)に委ねられることが5日、決まった。受信料を原資とした業務の肥大化が長年問題視されるなか、番組の質やインターネット時代の公共放送のあり方に厳しい視線が向けられる一方で、新会長は受信料値下げによる減収にも直面する。政界にはさらなる値下げを求める声もあり、課題は山積している。 【アンケート結果】NHK受信料は妥当だと思いますか? ■「若返り」かなわず 「NHKの改革を抜本的に行ったが、実行には時間がかかる。キーコンセプトは『若返り』。私みたいな高齢者が残ると完全に逆張りになるので、次世代を担う若い人に会長をやっていただきたい」 前田晃伸会長(77)は1日の定例会見で、過去最大幅の受信料値下げや評判の悪かった訪問営業の見直しなどに取り組んだ実績を踏まえて、こう語った。ただ、後任の稲葉氏は72歳。願いがかなったとは言いがたい。また、平成20年退任の橋本元一氏の後は6代続けて外部登用となり、橋本氏から6人全員が1期で退任している。 業務のスリム化やガバナンス(組織統治)の強化には本来時間が必要だが、ベテラン職員は「『改革』があっても3年で代わるのだから、また次の『改革』が来る。その間、なんとかやり過ごせばいい」と、〝猫の目人事〟を揶揄(やゆ)する。 ■契約減4倍ペース NHKの受信料収入は年間約7千億円で、事業収入の9割超を占めている。一般企業の内部留保に当たる「繰越金」の残高は、令和3年度末で約2230億円にのぼる。 このうち1500億円程度が来年10月からの受信料値下げの原資に充てられる見込みだが、自民党内では「NHKはもうけ過ぎている」との声が強い。松本剛明総務相も「さらなる値下げの原資が確保できるための努力が期待される」と念を押す。 営業成績の急速な悪化も課題だ。戸別訪問の営業見直しで、受信契約総数は4月からの半年で約19万8千件減った。当初の想定だった年間10万件の減少の4倍のペースとなっている。 ■根強い懸念と期待 それでもNHKには「巨額の受信料を財源にインターネット業務を際限なく拡大していけば、民間メディアとの公正競争が阻害され、言論の多様性やメディアの多元性が損なわれかねない」(日本新聞協会)といった懸念が根強い。 番組作りを巡っても、昨年12月に放送された東京オリンピックテーマのBS番組で、裏付け取材やチェックが十分ではなかったとして、担当職員が停職処分を受けたのは記憶に新しい。 総務省の公共放送をめぐる有識者会議で、内山隆・青山学院大教授は「ネットの普及で日本の放送は国際競争に引き込まれている」とし、NHKに民間との競争よりも、「開拓のための先行」を使命とすることを求めた。2代連続となった「元銀行マン」会長は、これらの懸念と期待に応えることができるのか。稲葉氏の手腕が注目される。(本間英士)

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