春闘 物価高で「大幅ベア」焦点

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春闘 物価高で「大幅ベア」焦点
日立製作所の労使交渉に臨む田中憲一執行役常務(中央右)と日立労組の半沢美幸中央執行委員長(同左)=16日午後、東京都千代田区  2023年の春季労使交渉に向け、日本の賃金相場に大きな影響を与える製造業大手の労働組合による要求が出そろった。歴史的な物価上昇局面に当たり、基本給を底上げするベースアップ(ベア)による大幅な賃上げが実現するかが焦点だ。半導体不足や部材価格の高騰が企業業績を圧迫する中での交渉となり、厳しい展開も予想される。  ◇「労働の価値、適正に」  「可処分所得も下がっている。社会全体で労働の価値を適正な価格にしていくことが必要だ」。パナソニックグループ労働組合連合会の岩脇寛己書記長は16日、要求書を提出後に記者説明会を開き、決意を述べた。  また、日立製作所の田中憲一執行役常務は、労組から要求書を受け取り「労使で真摯(しんし)に議論を行い、将来の事業成長と社員のさらなる成長につなげたい」と語った。  主要電機メーカーの労組は、大手で要求をそろえ、産業全体の賃上げをけん引する統一闘争を展開しており、今年は月額7000円のベアを要求した。15年春闘で掲げた6000円を超え、25年ぶりの高水準だ。  自動車大手各社の労組も15日に要求書を提出。過去最高水準の賃上げを求める動きが相次いだ。  今春闘では、交渉に先行して賃上げを表明する企業が続出。経営側も「物価上昇をにらんだ賃上げが大事だ」(十倉雅和経団連会長)などと一定の理解を示し、機運は例年以上に高まっている。  ただ、SMBC日興証券によると、10日までに開示された上場企業の22年4~12月期決算で、製造業の純利益は前年同期比6.1%減となった。原材料高が重しとなっており、通期見通しを下方修正する企業も多い。電機メーカー幹部は「賃上げせざるを得ないが、厳しい交渉になる」と予測する。  ◇価格転嫁鈍く  日本全体の7割の雇用を抱える中小企業への波及も焦点だ。連合の芳野友子会長は16日の定例会見で「今年は非正規雇用労働者、中小企業で働く労働者の賃上げが非常に重要だ」と改めて強調した。  しかし、前提となるコスト増の価格転嫁の動きは鈍い。中小企業庁が昨年12月に公表した調査結果によると、約2割の企業が「まったく価格転嫁できていない」と回答した。自動車部品メーカーからは「価格転嫁は1割しかできていない」との声が漏れる。  労務行政研究所が発表した今春闘の賃上げ見通し(東証プライム上場企業クラス)は定昇込みで2.75%と、連合目標の5%程度を大きく下回る。ニッセイ基礎研究所の斎藤太郎経済調査部長は「実質賃金のプラス転換は、2、3年での実現を目指すのが現実的なのではないか」と話している。    ◇23年春闘の賃金要求                ベア月額     年間一時金 【電機】 日立製作所          7000円    6.3カ月               (3000円)  (6.3カ月) 東芝             7000円    業績連動               (3000円)  (業績連動) パナソニックHD       7000円    業績連動               (3000円)  (業績連動) 【自動車】 トヨタ自動車   ※3570~9370円     6.7カ月          (1600~4900円)  ( 6.9カ月) ホンダ          1万2500円     6.4カ月               (3000円)  ( 6.0カ月) 日産自動車       ※1万2000円     5.5カ月               (8000円)  ( 5.2カ月) 【重工】 三菱重工業        1万4000円     6.00カ月               (3000円)  ( 5.80カ月) IHI          1万4000円     5.90カ月               (3000円)  ( 5.60カ月) (注)カッコ内は前年要求。※は賃上げの総額。トヨタは職種、職位別

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[紹介元] Yahoo!ニュース・トピックス - 経済 春闘 物価高で「大幅ベア」焦点