不登校でオール1 生徒の「絶望」

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不登校でオール1 生徒の「絶望」
小中学校で不登校だった田中さくらさん(仮名)  横浜市の編集者、田中さくらさん(29)=仮名=はかつて不登校だった。きっかけは小学6年でのいじめだ。中学でも復帰できず、通知表は「オール1」。授業に出ていないから当然なのかもしれないが「学校って、分かってくれないんだな」と当時は思っていた。  小中学校の不登校児童生徒の数は2021年度に24万4940人。10年前のほぼ2倍で、過去最多だ。通知表はこうした生徒にも発行されている。ただ、不登校の子どもは通知表を「学校に『負け犬』のレッテルを貼られた」と受け止め、心をかき乱されている。中学生にとっては入試の結果も左右し得るため、その後の人生への影響も無視できない。  さくらさんは一度、学校を見限った。それでも前に進もうともがき続けた結果、自分を見守ってくれていた教師の存在に初めて気付くことになった。学校の中には、立ち直ろうとする生徒を後押ししようと、独創的な通知表で工夫し始めた例もある。(共同通信=小田智博) 見たことのない数字 田中さんの中学2年の通知表  さくらさんは小学6年の夏休み明けから学校に行けなくなった。クラスの中心にいた女子のターゲットにされ、仲間はずれにされたり、悪口を言われたりするようになったためだ。「中学校からは復帰しよう」と決心。「友達に再会したら、どんな風に話しかけたらいいだろう」と頭の中でシミュレーションを重ねた。  迎えた中学入学の日、思いとは裏腹に体が反応しなかった。ベッドから起き上がることさえできず、「無理だ」と悟った。近所の同級生が制服姿で中学校に向かう様子が窓越しに見えて、涙がこぼれた。「私はもう『普通』にはなれない」。その夜、学校には行けないと両親に伝えた。「両親が『分かった』と言ってくれたのが救いだった」  小学校時代は優等生で、5段階評価の通知表は「5」ばかり。算数と図工が「4」になるぐらいだった。それが中学1年になって暗転。2学期制の前期の通知表は、評定が全て「1」だ。見たことのない数字に「逆に面白いかも」とさえ思った。  通知表には欠席の日数も記されている。「登校していない現実をリアルな数字で突きつけられた」と感じた。でも、どうして通えなくなったのかという理由は一言も書かれていない。一方で表紙には、学校の目標として「人を思いやる心を大切にする」とも印字されている。あのいじめっ子は何事もなかったかのように同じ中学に通っているだろう。そして彼女は、きっと良い評定なのだろう。  「こうなったのは私のせいじゃないのに。学校って、分かってくれないんだな」  欲しいと言ったわけでもないのに一方的に届けられる通知表。「何の価値もない」と感じるようになった。その後は通知表が届いても見なくなった。不登校も続いていたが、徐々に心の健康を取り戻し、フリースクールには通い始めた。

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