名門校の頭髪規定 生徒と学校対立

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名門校の頭髪規定 生徒と学校対立
耳元や襟足を刈り上げる「清風カット」にした生徒=生徒提供  「清風カット」はブラック校則か、それとも教育指導の一環か――。オリンピックの金メダリストも輩出した関西の名門進学校で、全ての在校生を「拘束」する伝統の髪形ルールを巡って論争が起きている。現役生徒と学校が真っ向から対立するが、私学特有の白黒つけられない事情もあるという。現場で何が起きているのだろうか。 【写真】「清風カット」の全貌が記された生徒手帳  ◇違反で「退学」も?  論争の舞台は、創立80年を間もなく迎える「清風高校」(大阪市天王寺区、生徒約1780人)。中高一貫教育も掲げる私立男子校で、毎年のように超難関の国公立大の合格者を出す関西有数の進学校として知られる。体操部はオリンピックのメダリストを多く輩出し、ソウル五輪・団体銅の池谷幸雄さんやアテネ五輪・団体金の米田功さんも卒業生に名を連ねている。  生徒の間で「清風カット」と呼ばれる髪形の全貌は、入学時に配られる生徒手帳に頭髪規定として掲載されている。  <必ず裾と耳もと全体を刈り上げなければならない><前髪は自然に前へたらしたとき、眉毛にかからない程度の長さにすること>  毎月1回の検査や不合格の場合の注意も示され、清風中学校も同じ規定が手帳に書かれている。  学校のホームページは「守らなければならない事項」の一つとして、「学校指定の髪形にする」と紹介。これらの項目を順守できない場合は退学になることも併記されている。  「僕は髪形も個性やと思っているのに。こんなブラック校則はもう我慢できません」。匿名を条件に毎日新聞の取材に応じた生徒の一人はこう訴える。一部の生徒たちは変革に向けて行動を起こし始めた。  一方、高校を運営する学校法人「清風学園」は教育理念や学校の特色を挙げ、「あくまで生活指導の一環だ」と反論。ブラック校則には当たらないと強調している。  ◇「過度な校則、子どもの権利奪う」  文部科学省などによると、校則に明確な法的根拠はなく、合理的な範囲で校長が制定できるとされる。理不尽な校則は近年、ブラック校則と呼ばれて社会問題化している。  文科省は2021年6月、行き過ぎた校則の見直しを求める通知を各都道府県の教育委員会や私立学校の担当部署に出した。ただ、大阪府教委の担当者は「私学の学校運営は法人や校長に委ねられており、直接的な指導がしにくい」と語った。  私立学校法は独自の学風や建学の精神に基づく自由な教育をうたい、憲法もこれを保障している。広島修道大の中富公一教授(憲法)は「私学には教育の自由があり、髪形を規制すること自体は問題ない。ただ、校則に合理性がなく、社会的に許される限度を超えていれば、人権侵害とみなされるケースもあるだろう」と指摘する。  名古屋大大学院の内田良教授(教育社会学)は「過度に厳しい校則は子どもの権利を奪うことにつながる。私学であっても生徒たちの考えも尊重し、柔軟に対応してほしい」と話した。【安元久美子】

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