弟失う事件契機に開店 店守った兄

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暗い街の一角で明かりをともすファミリーマート米沢中央1丁目店(画像の一部を加工しています)  山形県米沢市のあるコンビニエンスストアが13日午前9時、閉店の時を迎える。大学生が亡くなった1995年の暴行事件が契機となり、その兄が97年、現場近くに開いた店だ。「何かあったら逃げ込める、24時間明かりのある場所をつくりたい」。そう願い、店を守ってきた。 【写真】店内に張られた閉店のお知らせ ■店長の相田克平さん「これからもこの街の灯守り続けて」  ファミリーマート米沢中央1丁目店、店長の相田克平さん(56)=米沢市=。「収益よりも、店を残したいとの思いで続けてきた」と肩を落とす。閉店は経営状況による本部の判断。競合店などの影響で、フランチャイズ契約の更新がかなわなかった。  事件は95年4月1日未明に起きた。米沢市中央1丁目のスナックで、山形大工学部生だった弟の誠さん(当時21)は仲間3人と酒を飲んでいた。店にいた客の男6人に言いがかりを付けられ、殴る蹴るの暴行を受けた。  市内の病院に運ばれた誠さんは意識不明の状態が続き、同8日に亡くなった。加害者の男1人はその後、傷害致死罪などで実刑判決を受けた。  遺族の怒りや悲しみは徐々に、街の治安向上を目指す力に切り替わった。山形大生らと共に95年夏、街頭やキャンパスで交番の設置を求める署名活動を展開。集まった約2万筆は市へ提出し、市議会も設置を求める請願を可決したが、実現しなかった。  克平さんの下に、誠さんの死に伴う保険金400万円があった。使い道に迷ったが、「交番は難しくてもコンビニなら24時間、明かりがともる」と決意。運営会社に自ら電話し、店を開きたいと伝えた。  交渉を経て、97年3月14日に米沢中央1丁目店がオープンした。店は事件現場から80メートルほどの場所に構えた。  克平さんは市中心部での店舗経営を通じ、街づくりへの関心も強めた。2007年に市議に初当選し、21年から議長を務める。  店の周辺では誠さんが犠牲になった事件以降、暴力による大きな事件は起きていない。議員活動の傍ら、レジにも立つ克平さんは「この25年余りは役目を果たせたかな」と振り返る。  今月3日、感謝を示す閉店のあいさつ文が店内に張られた。今後の土地の活用は未定だが、克平さんはメッセージをこう締めくくっている。  「これからもこの街の灯(あか)りを守り続けて下さい!」 (山形総局・小田島悠介) 河北新報

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